2024年11月14日、スイス再保険会社日本支店(スイス・リー)が主催する「スイス・リー リスクフォーラム2024」において、当センターの井上滋邦センター長(当時:AGC株式会社 エグゼクティブ・フェロー)と東瀬朗副センター長(当時:新潟大学工学部 准教授)が登壇し、「安全文化」をテーマに講演および対談を行いました。
フォーラム開催の背景
本フォーラムは、企業保険におけるリスク管理をテーマに開催されました。冒頭、スイス再保険会社日本支店 日本における代表者の百々敦浩氏は、企業保険の分野において「安全文化」への理解を深めることが極めて重要であると強調しました。
安全文化の定義と醸成へのアプローチ
東瀬副センター長は講演の中で、安全文化を「安全最優先を保証する組織・個人の特性」と定義しました。その上で、安全文化診断の目的について、組織内で生じうる「危険に対する慣れ」や「仕組みの劣化(形骸化)」へ対応できる組織能力を育成することにあると解説しました。
また、安全文化の醸成には以下の「8つの軸」が不可欠であると説明しました。
- ガバナンス
- コミットメント
- コミュニケーション
- モチベーション
- 学習伝承
- 作業管理
- 資源管理
- 危険認識
これらの軸に基づいた診断を行うことで、組織の強みと弱みを可視化し、具体的な改善を促すことが可能となります。
AGCにおける活用事例と今後の展望
続いて井上センター長は、AGC株式会社における事例を紹介しました。同社では安全文化診断をグローバルに導入しており、診断結果に基づいたオーダーメイドの施策を展開することで、着実な成果を上げていることが報告されました。
対談セッションでは、今後の展開として、診断結果と実際の災害データとの相関分析を進めていく方針が示されました。また、損害保険業界に対しては、顧客企業への本診断の紹介や、事故防止に向けた共同研究への協力など、業界を超えた連携への期待が語られました。









